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2011年5月

2011年5月 2日 (月)

五百籏頭真先生の講義

みなさんは「五百籏頭」という漢字(姓)を読めますか? 「いおきべ」と読みます。読めた方に拍手! 難しい字ですね。

今回は、防衛大学校校長にしてこのたび東日本大震災復興構想会議議長に就任された五百籏頭真先生の思い出話を書こうと思っています。

もう30年近く前になりますが、神戸大学の学生時代、先生の政治学の講義を受講しました。最初は教養部の授業で2単位の講座を2コマ受講し、ともにかろうじて単位をいただきました。不良学生だった私が、唯一まじめに受講した科目でした。なぜか。それは「もうこれ以上単位を落とせない!」という切羽詰まった事情だけでなく、とにかく面白かったからです。先生は一時期、放送大学の授業も担当されていましたので、ご存じの方も多いかもしれません。

先生の講義スタイルは、情熱的というには程遠い、いかにも淡々としたものでした。経営学部の学生だった私にとって、政治学などさほど興味が持てる科目ではなかったのですが、毎回先生の語り口に吸い込まれるように聞き、気づけば終了のチャイムが聞こえていました。まさに絶品と言える講義でした。先生の講義に惚れ込んだ私は、学部に進学してからも法学部の教室にもぐりこみ、先生の政治史の講義を聞きました。テキストに使用された著書「日本政治外交史」は、正統派の学術書でありながら、その文章の運びがまさに先生の講義そのもので、一気に読んでしまいました。他の科目ではテキストなど開いたこともなかったのに・・・。

セミナー講師の仕事を始めてからも、理想とする講義スタイルは五百籏頭先生でした。先生独特の語り口は、まるで物語を語り聞かせるかのように、静かに進みます。聞く者の心に波風を立てず、しかもじっと聞き入らせるのです。勢いでごまかす場面が多い私は、「講義とはかくあるべし」と反省します。しかし、一見簡単そうに見える先生の講義スタイルは、真似ようとしてもなかなかできるものではありません。生半可な講師が先生のスタイルを真似ると、多分受講者の大部分は眠ってしまいます。それを眠らせずに、最後まで聴かせるのですから、よほど内容が素晴らしいのです。また、話の組み立て方も絶妙なのです。先生の政治史に関する学識と話芸のすごさがうかがえます。先生のスタイルを真似るには、途方もない準備(勉強を含む)と鍛練が必要になると思います。

最近の先生の発言については、いろいろと批判の声もあるようですが、私にはそんなことはどうでもよいことです。政治史の大家である先生のことです。何か深い意図あってのことと思います。

私が学生として講義を聞いた当時、先生は50代の前半だったと記憶します。そろそろ私も当時の先生の歳に近付いてきています。しかし、いまだ到底先生の講義には及びません。でも、これからも目標とさせていただきたいと思います。

大きな目標があるというのは幸せなことです。

すみぶち塾Sumizuku

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